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ている(小油−107?A)457mmの倉口縁材を必要とする。貨物油タンクと機関室との間には、油密であり、十分な通風が施され、かつ、人が出入りすることのできるコッファダムを設ける必要があるが(小油−110)、本船ではポンプ室と兼用している。(小油−110?A)ポンプ室にガス排出用換気装置が必要である。(小油−113)
甲板上の排水をよくし、ガスの滞留をなくすために、油タンカーでは、タンク部分の上甲板にブルワークを設けず、人の安全のためにオープンレールを設けている。(小油−109)
各貨物油タンクの空気管はまとめて前方に導き、前部マストに沿って立ち上がらせ、爆発のおそれのない高さ(本船では上甲板上3.6m)まで導き、開口端には火焔防止用の耐食性金網を設けることとなっている。(小油−112)また、空気管の内径(小油−112)、A種船における自動呼吸弁の設置(小油−112?B、?C)などの規定がある。
ポンプ室および貨物油タンク内の危険なガスを排出する(タンク掃除の際)ために有効な換気装置を設ける必要がある。(小油−113および114)その他火焔防止用金網(小油−115)油タンク上面の冷却装置(小油−116)などの規定がある。

 

4.2 構造通則

油タンク内の構造部材は腐蝕に対する適当な余裕が必要で、なるべく厚いものとする。A種船では油タンク内の梁、肋骨、防撓対等で隔壁、外板および甲板に設けるものは、最小厚さを7mmとする。(小油−203)
ガスが滞留するおそれのある箇所の構造部材には適当に通気孔を設ける。(小油−203?A)
タンク内は縦通肋骨、機関室部分は横置肋骨構造というように異なった構造をとる船では、その移りかわる部分の強さの連続性を保持するように考慮する。(小油−204?A)本船は全通横置肋骨構造であるから、これには該当しないが、タンク内の中心線縦通隔壁(非水密)が、No.3貨油タンク後端隔壁で終り、その後方には中心線隔壁がなく、不連続となるので、その後方に肘板を船底部、甲板部に設けて構造の連続をはかっている。(小油−204?B)
油タンク区画は通例広い区域にわたるから、構造部材の防撓を充分にする。すなわち、肋骨、防撓材、梁等は3m以下のスパンで桁によって支持し(小油−205)、またこれらの桁(船底横桁、船側横桁、甲板横桁および隔壁堅桁)の肘板の内端間の距離が3mをこえるときは、支材を設ける。ただし、桁の面材の断面積をスパンに応じて増加したときは支材を設けなくてよい。
(小油−205?A)
桁板に設ける軽目礼または切り込みは、相互に充分避距し、孔の大きさ、切り込みの隅の丸味に注意する。これは特に油タンカーの腐蝕による桁の効力低下に注意を払うためである。(小油−206?A、?B)

 

 

 

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